中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の進め方

  • 2021年3月22日
  • 2021年5月6日
  • DX, DX手順
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このような方に役立ちます!

  • 中小企業のDX推進に関わる方
  • 我が社もDXに取り組みたいけど・・そもそも、やり方がわからない方
  • ITやデジタル技術に詳しくない、情報システム担当者がいない企業の方
  • DXって簡単にできるものではないと思っている方

本記事を読むとDXの理解・取り組み方・具体的な手順がわかります

「DXは本当に必要なの?」「何から始めたらいいのかわからない」「ITやデジタル技術に投資する余裕がない」「会社・経営者が理解してくれない」などなど、色々な理由で躊躇している会社も多いと思います。
経済産業省では、「DXレポート」「DX推進ガイドライン」「DX推進指標とそのガイダンス」「DX認定制度」などにより企業におけるDX推進の必要性を強く訴求していますが、ITに詳しい方でないと理解するのがちょっと難しい部分があるかもしれません。(とくに用語とか)

ここでは、ITに詳しくなくてもDXの取り組みが始められるよう「DXを進めるには具体的にどうすればいいか」をテーマにしています。今までわからなかった取り組み方をご理解いただき、皆さんの会社が今日からDXへの第一歩を踏み出せるようになることを期待します。


 

では、具体的に企業がどうやってDXを推進していけばよいのかを確認していきましょう。

DX推進ステップ

  1. DXを理解する
  2. 自社の目標・ビジョンを決める
  3. 自社の現状を把握する
  4. 課題を明確化する
  5. ビジョン実現のための仮説を立てる
  6. 仮説を検証する
  7. 4-6スピーディに繰り返す

DXを進めるためには、あまり時間をかけず、考え過ぎず、すばやく進めていきましょう。

※本来、本格的にDXを推進するためには色々な準備が必要なのですが、中小企業の場合はまずは小さな成功体験をつくることが肝要です。

上記のステップ ①.はできるけど、②.はどうやって決めるの? と悩まれる方も多いと思います。
その際、下記の「コロナ禍を契機に企業が直ちに取り組むべきアクション」を自社に当てはめて考えてみてください。
そうすると、③. ④. が先に整理できると思います。

自社の目標・ビジョンの決め方

DX成功パターンの策定

出典:経済産業省「DXレポート2(中間まとめ)」より抜粋

コロナ禍を契機に企業が 直ちに 取り組むべきアクション

  • 業務環境のオンライン化
  • 業務プロセスのデジタル化
  • 従業員の安全・健康管理のデジタル化
  • 顧客接点のデジタル化

上記アクションに取り組んだ結果、自社がどう変わるのか、変わりたいのか、結果としてどんな効果が出せるのかを考えてみましょう。
更にその結果が自社だけにとどまらず、業界や社会全体に影響を与えるような効果が得られるものであれば理想的です。

ただし、最初から達成不可能な目標やビジョンを掲げる必要はありません。

業務環境のオンライン化

まずはオンラインで業務ができる環境を整えましょう。
コロナ禍でテレワーク環境を整備された企業が多いと思いますが、WEB会議システム、VPN(バーチャルプライベートネットワーク)など外部から社内サーバーへアクセスできる仕組み、クラウドサービスの活用などが当てはまります。

ただし、テレワークができる機器環境を整えるだけでは不足です。昨今ではテレワークによる生産性やモチベーションの低下、コミュニケーション不足による心理的ストレスなどが問題になっています。

企業として従業員が働きやすいオンライン環境をしっかり考える必要があると言えます。

中小企業の課題

テレワーク・リモートワーク環境を導入する際は、厚生労働省が公開している「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を参考にしましょう。

業務プロセスのデジタル化

リモート環境が整ったら、実際の業務がオンラインでできる環境を作りましょう。
下記の例の中で自社に当てはまるものあるかチェックしてみましょう。

  • 顧客・案件・営業情報の電子化、共有
  • 見積作成の電子化、自動化、最適化
  • 受発注作業の電子化
  • 請求・入金情報のシステム化
  • 各種文書の電子管理
  • 社内稟議・申請業務の電子化
  • 経営情報の見える化
  • 販売管理業務のシステム化
  • 生産・開発・工程管理業務のシステム化
  • 設備・在庫管理業務のシステム化
  • 人事・給与管理業務のシステム化
  • 勤怠・入退出管理業務のシステム化
  • 会計・経理業務のシステム化
  • Excel業務の効率化
  • セキュリティ対策

業務プロセスのデジタル化

従業員の安全・健康管理のデジタル化

以下のようなケースに対応できるデジタル技術やITサービスを導入することを検討しましよう。

  • スマートウォッチなど活動量計等を用いた現場作業員の安全・健康管理
  • パンデミックや災害時における従業員や家族の安全確認
  • 従業員の不調・異常の早期発見、満足度調査
  • センサーや監視カメラなどによる、安心・安全な労働環境の整備

従業員の安全・健康管理のデジタル化

顧客接点のデジタル化

以下のようなデジタル化を検討しましょう。

  • 電子商取引プラットフォームによるEC サイトの開設
  • チャットボット等による電話応対業務の自動化・オンライン化
  • AR(拡張現実)/VR(仮想現実)を活用した顧客サービス

顧客接点のデジタル化

自社の現状を把握し、課題を明確化する

上記で検討した取り組むべきアクションに対して、
自社の状況や環境がどうなっているのかを確認しましょう。

自社の状況、環境を整理する際には、以下の方法があります。

① 高付加価値の実現に向けたチェックリスト(製造業向け)

 経済産業省 関東経済産業局が公開している「中小製造業のデジタル技術を活用した“稼ぐ力”の創造に関する取り組み事例集およびチェックリスト」を活用すれば、自社のデジタル化を検討すべき課題項目を整理することができます。

高付加価値の実現に向けたチェックリスト

② DX推進指標

 企業が直面している課題やそれを解決するために押さえるべき事項を中心に構成されており、経産省が作成した「自己診断ツール」です。

DX推進指標

DX推進指標は「自己診断ツール」として利用できるもので、企業が現在どれくらいDXへの取り組みができているかをチェックすることができます。これからDXに取り組む企業は成熟度が低いのが当たり前です。「DX推進指標」はDXを推進するためには何をすればよいのか、何が基準なのか、という観点で「指標と成熟度レベル」に着目してください。

 

課題に優先順位をつける

 自己診断を行ってみると自社の課題が明確に見えてくると思います。前述の「コロナ禍を契機に企業が直ちに取り組むべきアクション」以外にも、新たに気付いた課題も上がってくるはずです。課題を抽出したら次に優先順位をつけましょう。どの課題を解決すれば目的やビジョンが実現できるのか、競争優位性が確立できるのかを考えます。

企業によっては売上・利益の拡大なのか、生産性向上やコスト削減を目指すのか。新商品開発、販路拡大、顧客開拓が必要なのか、または働き方改革や従業員満足度向上によって事業継続や企業価値を向上させたいのか。最終的には経営者の判断が重要になります。

DX推進は一人ではできません。経営者、事業部門、総務部門、営業部門、情報システム部門など全社横断のタスクフォースで取り組む必要があります。特に経営層の決断力や推進力が求められます。またITベンダーやコンサルタントなどの外部専門家に協力を依頼する事も必要です。ただし必ずユーザ企業が自ら主導することが重要でありベンダー任せにすると失敗します。

 

課題解決のための仮説を立て、検証する

課題をどうやって解決するのかを計画しましょう。

DX推進は「仮説検証を”スピーディー”に繰り返すこと」と「小さな成功体験」を積み重ねることが肝要です。ただし注意しなければいけない事は、デジタル技術やITシステムを導入して終わりではないという事です。一つの業務や部門で完結するデジタル化の効果だけではDXとは言えません。最終的には全社最適化したシステムを現場レベルで簡単に使用できるようすることで高付加価値を創出することができるはずです。

仮説と検証

高付加価値化を実現するプロセスは色々あるはずです。まずはデジタル化によって解決できる業務や改善方法を検討しましょう。中小企業のDX推進やデジタル化にはIT導入補助金や自治体の助成金などが使えるケースがあります。

検討の際にはITベンダー企業やITコーディネータ等の専門家、中小企業デジタル化応援隊、スマートSMEサポーター等の支援機関に相談しましょう。

 

 

 

<出典・参考資料 (2021.3現在)>

本ブログ記事は下記資料を参考に作成しています。

  • IPA(情報処理推進機構)社会基盤センターの「中小規模製造業者の製造分野における デジタルトランスフォーメーション(DX)推進のためのガイド」が参考になります。製造業を例に「DXの定義」「目指す姿」「推進ステップとガイド」が示されていて、製造業以外の業種にも参考になる内容です。(ただし2021.1.26現在は未完成)
  • 経済産業省 関東経済産業局が作成した「2020事例に学ぶ ~稼ぐ力の鍛え方~ 中小製造業のデジタル技術を活用した稼ぐ力の創造に関する取組事例集及びチェックリスト」もデジタル技術活用のヒントとして役立ちます。中小製造業の取り組み事例と高付加価値化の実現に向けたチェックリストが作成されていて、製造業向けではあるものの他業種のDX推進にも大変参考になると思います。
  • 経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会」が取りまとめている「DXレポート2(中間とりまとめ) 令和2年1228日」では、最新のDX推進の進捗状況やコロナ禍における企業がとるべき具体的な対策を加味した内容になっており、DXを更に加速させる必要性を示しています。
  • 経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会」が取りまとめている「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」が近年におけるDX推進の原点です。ここではレガシーシステムの刷新に焦点が当たっていますが、最新版「DXレポート2(中間まとめ)」では方針が見直されています。
  • 経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、DXを実現していく上でのアプローチや必要なアクションについての認識の共有を図るため、DXの実現やその基盤となるITシステムの構築を行っていく上で経営者が押さえるべき事項を明確にし、取締役会や株主がDXの取組をチェックする上で活用できることを目的として作成されています。
  • 経済産業省の「「DX推進指標」とそのガイダンス」は、DX推進に向けて経営者や社内の関係者が、自社の取組の現状やあるべき姿と現状とのギャップ、あるべき姿に向けた対応策について認識を共有し、必要なアクションをとっていくための自己診断ツール「DX推進指標」についての説明資料です。DX推進には「DX推進指標」による自己診断を定期的に実施することが求められています。
  • 厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」は、テレワークを導入する際の留意点、望ましい取り組み方法、人事評価の考え方などがまとめられています。これらはコロナ禍の緊急事態宣言下において多くの企業がテレワークを導入した際に挙がった様々な問題点に対して、厚生労働省が働き方改革やテレワークの適切な導入と推進について指針を示したものになります。

商標
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