DXが必要な理由

  • 2021年4月19日
  • 2021年6月9日
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DX デジタル変革

本記事では「DXとは何か?」「なぜDXが必要なのか」についてわかりやすく解説します。

なぜDXが必要なのか?

平成30年9月7日 経済産業省デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会 がまとめた「DXレポート」に次のような背景が示されています。

あらゆる産業において、新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネス・モデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある。こうした中で、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められている。
例えば、GDP1位のアメリカでは GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)、GDP2位の中国は BATH(Baidu、Alibaba、Tencent、Huawei)といった巨大デジタル企業が急成長し、経済発展を担っています。対してGDP3位の日本では他国のような巨大デジタル企業は生まれていないという現状があります。2021年5月現在、日本の東証一部上場企業約2,200社の時価総額は約700兆円と言われていますが、アメリカではGAFAM(GAFA+Microsoft)の5社だけで時価総額が約900兆円もあります。2020年にGAFAMの時価総額が東証一部上場企業の時価総額を抜いてから、コロナ禍のわずか1年で200兆円もの差が開きました。
日本では「Society5.0 仮想空間と現実空間の高度な融合による人間中心の社会」という未来社会を目指す政府方針が掲げられています。ここ数年、日本は経済成長率が世界最低レベルで推移しており、政府として企業を活性化させて経済発展を図るための施策を次々に打ち出してきています。未来の社会では「デジタル技術を駆使した新形態のサービスが日々創出され、様々なデジタルサービスによって提供される新しい価値を常に享受できるのが当たり前になります。」 そして今はコロナ禍を契機に、デジタルサービスの浸透が一層加速している状況なのです。

 DXとは 

新たなデジタル技術やデータを広く利活用し、

新しいビジネス・モデル(高付加価値)を創出すること


 ※IT企業を目指すという意味ではありません!

DX推進における企業の課題

このような危機的状況であることを理解し会社全体でDXに取り組む必要がありますが、現実はDXがあまり進んでいないというのが実態です。その代表的な理由には次のようなものがあります。

  • DXの事をよく知らない。または自社には関係がないと思っている
  • 経営者がDXの必要性を理解していない
  • 既存システムが老朽化・複雑化・ブラックボックス化していることに対する問題意識がない
  • システムが部門毎や業務毎など限定的に導入されていて、データが全社的に活用されていない
  • 現場レベルの抵抗が大きく、システムやデジタル技術を導入しても活用できない。または効果が限定的
  • 今の仕事のやり方でうまくやっている(固定観念)ので、変革する必要性を感じていない
  • DX=IT化だと思っている

経済産業省では「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」の中で、既存システム(レガシーシステム)の刷新に計画的に取り組むことの必要性とデジタル技術を前提とした企業経営の変革の方向性を指摘しています。しかしCOVID-19の影響により、2025年を待たずして

「今まさに、デジタル化待ったなし!」

の状況なのです。そこで、国がDXを推進するために様々な支援を行うことで企業の取り組みを加速させ、結果的に経済発展を促進させようとしています。

 

コロナ禍で見えた企業の対応

2020年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、企業は「感染拡大防止」と「従業員の生命を守りながら、いかに事業を継続させるか」という課題に直面しました。4月の緊急事態宣言下では多くの企業で出社が制限され、テレワーク制・WEB会議システムの導入、PCや周辺機器の追加購入などの対応に迫られたことと思います。2020年3月の都内企業のテレワーク率は24%だったのに対し、4月には60%を超えたという調査結果(東京都テレワーク導入率緊急調査結果(2020年5月))もあります。

今回のコロナ禍においてテレワークやWeb会議などのオンライン業務に切り替えた企業は、これまで普及するのに2年かかるといわれていたデジタル活用による働き方改革を、わずか1ヶ月程度で実施したことになります。また最近ではサーマルカメラによる体温検知機器を設置される会社も増えていますが、これも含めてコロナ禍において実施されたデジタル化対策であり、「従業員の健康と安全を確保する」という経営トップの判断と指示が従業員や会社全体に行動変容を促した実績だと言えます。

このように、経営トップの迅速な判断があれば、短期間でDXを実行できることが実証された事例だと言えます。

企業に求められるDX

コロナ禍を契機として、Web会議やオンラインセミナー、新しいネットサービスなど仮想インフラを活用したビジネスが増えています。新たな価値が次々に生まれている中で、これを一過性の現象と捉えず、これまでの固定観念が大きく変化している状況であると認識しましょう。

そして今後も継続して変化が起こる前提で柔軟に対応していく必要があります。
世界的なパンデミックの社会において、企業がこれまでの固定観念に固執せず、新しいビジネス・モデルや働き方改革に取り組み、デジタル競争の中で生き抜いていくために必要な対策をすぐに始めるべきです。

デジタルワーカー

一方でユーザー企業のデジタル化やDXを支援するITベンダー企業も、顧客に新しい価値を提供しなければ生き残れません。今までのような受託開発型のビジネスモデルではユーザー企業のDXを実現することはできないのです。

ITベンダー企業は顧客の要望にただ応えるだけではなく、「ユーザー企業の変革を共に推進するパートナー企業になること」が求められています。

 

<出典・参考資料 (2021.3現在)>

本ブログ記事は下記資料を参考に作成しています。

  • IPA(情報処理推進機構)社会基盤センターの「中小規模製造業者の製造分野における デジタルトランスフォーメーション(DX)推進のためのガイド」が参考になります。製造業を例に「DXの定義」「目指す姿」「推進ステップとガイド」が示されていて、製造業以外の業種にも参考になる内容です。(ただし2021.1.26現在は未完成)
  • 経済産業省 関東経済産業局が作成した「2020事例に学ぶ ~稼ぐ力の鍛え方~ 中小製造業のデジタル技術を活用した稼ぐ力の創造に関する取組事例集及びチェックリスト」もデジタル技術活用のヒントとして役立ちます。中小製造業の取り組み事例と高付加価値化の実現に向けたチェックリストが作成されていて、製造業向けではあるものの他業種のDX推進にも大変参考になると思います。
  • 経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会」が取りまとめている「DXレポート2(中間とりまとめ) 令和2年1228日」では、最新のDX推進の進捗状況やコロナ禍における企業がとるべき具体的な対策を加味した内容になっており、DXを更に加速させる必要性を示しています。
  • 経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会」が取りまとめている「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」が近年におけるDX推進の原点です。ここではレガシーシステムの刷新に焦点が当たっていますが、最新版「DXレポート2(中間まとめ)」では方針が見直されています。
  • 経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、DXを実現していく上でのアプローチや必要なアクションについての認識の共有を図るため、DXの実現やその基盤となるITシステムの構築を行っていく上で経営者が押さえるべき事項を明確にし、取締役会や株主がDXの取組をチェックする上で活用できることを目的として作成されています。
  • 経済産業省の「「DX推進指標」とそのガイダンス」は、DX推進に向けて経営者や社内の関係者が、自社の取組の現状やあるべき姿と現状とのギャップ、あるべき姿に向けた対応策について認識を共有し、必要なアクションをとっていくための自己診断ツール「DX推進指標」についての説明資料です。DX推進には「DX推進指標」による自己診断を定期的に実施することが求められています。
  • 厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」は、テレワークを導入する際の留意点、望ましい取り組み方法、人事評価の考え方などがまとめられています。これらはコロナ禍の緊急事態宣言下において多くの企業がテレワークを導入した際に挙がった様々な問題点に対して、厚生労働省が働き方改革やテレワークの適切な導入と推進について指針を示したものになります。

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